Museは「代わりに作業してくれるAI(エージェント)」ですが、Meta自身がヘルプセンターで「間違えたり、予期せぬ行動をとったりすることがある」と説明しています。米国の記者のレビューでは、一部のお店での買い物、情報の古さ、個人データの扱いが主な課題として挙がっています。この記事では、Meta公式の説明と、名前のわかる記者・専門家の報告だけをもとに、2026年10月時点の「苦手なこと・できないこと」と、Metaが用意している対策を整理します。

Museが苦手なこと・できないこと一覧(結論)

苦手なこと・できないこと 根拠 対策
間違えたり、予期しない動きをしたりする Metaヘルプセンター 「常に確認」の設定、アクティビティログの確認
情報が古いことがある(閉店したお店を提案) CNN Business 予約・来店の前に自分で確認
Amazonでは買い物を任せられない CNN Business、GeekWire ほかの連携先や自分での購入
お店によっては最後の購入手続きを自分でする CNN Business 確認画面で入力内容を見る
許可の選び方しだいで、意図しない送信が起きた例 The Next Web ほか 個人間の取引は「1回だけ許可」
個人データの扱いをめぐる報告 Decrypt、Inc.、WIRED 連携は必要なものだけにする
画面の読み上げ機能との相性に課題 Taylor Arndt氏 改善を待つ
無料プランには利用量の上限がある Metaヘルプセンター リセットを待つか有料プラン
国によって使える機能が違う Meta公式・報道 日本は2026年10月23日に提供開始。一部機能は「別途案内」

Meta自身は「間違えることがある」と説明している

Metaヘルプセンターは、Museは間違えたり、予期しない行動をとったりすることがあると明記しています。そのうえで、Museの行動を見守り、間違いを直すのは利用者の役割だとしています。Engadgetのカリッサ・ベル記者も、Metaが「予期しない動作をすることがある」と注意を出している点を紹介しています(2026年9月12日)。

一度行った操作には、取り消せないものもあります。ヘルプセンターによると、メールの送信は、自分で送ったときと同じく取り消せません。

ヘルプセンターがすすめている使い方は次のとおりです。

  • 慣れるまでは、リスクの低い作業から試す
  • 回答の情報源をMuseに尋ねて確かめる
  • 完璧な自動システムはないため、Museの動きを確認し、問題ないと思える許可だけを与える

買い物で苦手なことは?

Amazonでは使えない

CNN Businessのリサ・エイディシッコ記者(2026年9月23日)は、AmazonがMuseによるサイトの閲覧をブロックしていると書いています。GeekWire(2026年9月20日)も、AmazonがMuseを自社サイトでブロックしていると報じました。買い物の連携先は、Meta Connect 2026でWalmart・Best Buyなどが発表されています(「Museと連携できるサービス一覧」)。

お店の制限で最後まで進まないことがある

同じCNNの記者の例では、次のようなことがありました。

  • Target:商品を探すことはできたが、購入手続きで自動のクリックが止められ、個人情報を自分で入力した
  • シャンプー:お店がプロ向けの免許番号を求めていて買えなかった。Museはサイトを調べて理由を説明した
  • Facebook Marketplace:出品者に直接メッセージを送れず、文面の下書きまでだった

記者は、似た作業ではChatGPTやGeminiのほうが詳しい答えを返すこともあったと書いています。

また、Lenny’s NewsletterのClaire Vo氏(2026年9月16日)は、ブラウザでのスニーカーの買い物テストを「いまひとつ」、映画チケットの購入テストを「ずっとよかった」と記録しています。買い物の注意点は「Museに買い物を任せるときの注意点」で詳しく解説しています。

情報の正確さは?

CNNの記者がデートの行き先を頼んだところ、Museは近所のお店を2つ提案しました。しかし、どちらも何年も前に閉店していたそうです。予約や来店の前には、営業しているかを自分で確かめるのが安心です。

一方で、同じ記者は、引っ越しの荷造りの計画や旅行の計画書づくりはうまくいったと書いています。得意な作業は「米国ユーザーのMuse活用例8選」にまとめています。

許可の選び方で、意図しない送信が起きることも

The Next Web(2026年9月28日)によると、YouTuberのMatt Robb氏は、Facebook Marketplaceでのキーボードの出品対応をMuseに任せました。Robb氏は、Museが自分の住所を買い手に伝え、安い申し出に応じていたと話しています。Museの自動返信を見て来た買い手は、誰にも会えずに帰ったそうです。

Museチームのデイビッド・シングルトン氏はXで、これまで調べた似た報告では「Museは直接の指示に従い、正しく許可を求めていた」と投稿し、調査を申し出ました。Robb氏はこの説明に反論しています。許可の選び方など、その後の経緯は「Museに買い物を任せるときの注意点」で紹介しています。

個人データの扱いは?

断ったはずのメッセージが同期されていたという報告

Inc.のJason Aten氏は、初期設定でメッセージなどへのアクセスを断ったと書いています。Decrypt(Jose Antonio Lanz記者、2026年9月23日)によると、Mac版Museは、Aten氏のMacのメッセージ履歴を18万7千行以上同期していました。Museは「届いた通知を見ているだけ」と説明していたそうです。

シングルトン氏はThreadsで、メッセージ連携は利用者が自分で有効にする機能だと説明しました。Aten氏は、自分で有効にした覚えはないと反論しています。詳しい経緯は「Museはプライバシー大丈夫?」で解説しています。

個人データの提供を次々に提案されたという報告

WIREDのReece Rogers記者は、旅行のための貯金の手伝いを頼んだ体験を書いています。紹介記事のFuturism(2026年9月22日)によると、Museは、銀行口座との連携、メール全体の読み取り、大事な書類の撮影、パスポートや運転免許証の期限の通知などを次々に提案しました。Rogers記者は、それがデータを集める口実のように感じたと書いています。

アクセシビリティ(使いやすさ)の課題は?

画面の読み上げ機能「VoiceOver」を使って開発や検証の仕事をしているTaylor Arndt氏は、個人のSubstack(2026年9月21日)で次の問題を報告しています。

  • 入力欄が標準どおりに読み上げられず、文字の編集がしにくい
  • 会話に見出しがなく、長いやり取りの中を移動しにくい
  • 返事が来たときや、承認が必要なときに気づきにくい
  • 名前のないボタンがある

一方でArndt氏は、Museの考え方や、できることとミスの可能性をわかりやすく説明している点は評価しています。

使える量や地域の制限は?

  • 無料プランの上限:Metaヘルプセンターによると、無料プランは利用量に上限があります。上限に達したら、リセットを待つか有料プラン(Power:月20ドル、Max:月100ドル)にします(詳しくは「Museの料金は?」)
  • 提供地域:Museは2026年9月8日に米国で始まり、9月18日にはカナダでも始まったと報じられています。日本では2026年10月23日に提供が始まりましたが、高度な音声モード、Muse Realtime Avatar、Muse独自のメールアドレスは日本では「別途案内」とされています(Meta公式)

Metaはどんな対策を用意している?

課題がある一方で、Metaは次のような仕組みを公式に説明しています。

  • 大事な操作の前の確認:Museは、メールの送信や購入など大事な操作の前に本人に確認します(Meta Newsroom)。初期設定は「一部のアクションで確認」で、「設定」→「アクセス許可」から「常に確認」に変えられます(詳しくは「Museの承認設定とは?」)
  • AIとは別の安全チェック:重要なアクセス許可やセキュリティチェックは、AIモデルとは別に動く仕組みです(Metaヘルプセンター)
  • ほかの人から隔離:利用者ごとの仮想マシンは独立していて、他人のエージェントからは見えません(Metaヘルプセンター)
  • パスワードと支払い情報:Museはパスワードや支払い方法を見られない設計です。支払いはLink by Stripeの1回限りのカード番号を使えます(Meta Newsroom)
  • 止める・確かめる:一部の操作はチャットで止められ、アクティビティログで実行内容を確認できます(Metaヘルプセンター。「Museが動かない・間違えたときの対処法」)

なお、Metaからもデータが見えなくなる「Muse Confidential VM」は、2026年9月の発表で「年内」に導入するとされています。2026年10月17日時点で、提供開始の発表は見当たりません(「Museの安全の仕組みとは?」)。

日本ではどうなる?

Museは2026年10月23日に日本で提供が始まりました(Museが日本で提供開始)。ここで紹介した課題は主に米国での報告で、日本版でも同じように起こるかは、まだわかりません。

連携先について、日本での発表ではGmail・Googleカレンダー・Instagramなどが挙げられています。メルカリ・マネーフォワード ME・チケットぴあは「連携を進めて参ります」とされ、まだ使えません。始め方は「Museの始め方(日本版)」をご覧ください。

よくある質問

Q. Museは間違えることがありますか?

あります。Metaヘルプセンターは、Museは間違えたり予期しない行動をとったりすることがあると説明しています。慣れるまではリスクの低い作業から試し、回答の情報源を確かめるようすすめています。

Q. MuseはAmazonで買い物できますか?

2026年10月時点ではできないと報じられています。CNN BusinessとGeekWireによると、AmazonはMuseによる自社サイトへのアクセスをブロックしています。

Q. Museはすべての操作を自動でやってくれますか?

いいえ。メールの送信や購入など大事な操作の前には、本人の確認が入ります。お店によっては、最後の購入手続きを自分で入力する必要があった例も報告されています。

Q. Museに個人データを渡しても大丈夫ですか?

Metaは、AIとは別に動く安全チェックや、大事な操作の前の確認などの仕組みを説明しています。一方で、断ったはずのメッセージが同期されていたという報告もあります。連携は必要なものだけにし、アクティビティログを確認するのが安心です。

Q. 日本でもこれらの制限はありますか?

Museは2026年10月23日に日本で提供が始まったばかりで、同じ課題が起こるかはまだわかりません。連携先はGmail・Googleカレンダー・Instagramなどが挙げられている一方、メルカリなどは「連携を進めて参ります」とされ、まだ使えません(Meta公式)。

まとめ

  • Meta自身が、Museは間違えたり予期しない動きをしたりすることがあると説明している
  • Amazonでは使えず、お店によっては最後の手続きを自分でする必要がある
  • 閉店したお店を提案された例があり、情報は自分でも確認したい
  • 個人データの扱いをめぐる報告がある一方、Metaは確認の仕組みや安全チェックを用意している
  • 不安があれば「常に確認」に切り替え、連携は必要なものだけにする

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出典

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