Museのデータは、利用者ごとに分けられた仮想マシンに保存されます。会話をAIの学習に使うかは利用者が選べ、会話データは広告には使われないとMetaは説明しています。この記事では、Meta公式のヘルプセンターとNewsroomをもとに、Museのデータの扱いを一つにまとめます(2026年10月9日時点)。

結論:保存先は専用の仮想マシン。学習は選べて、広告には使わない

Museのプライバシーとは、Museが預かるデータを「どこに保存し、何に使い、どう消せるか」という決まりのことです。Meta公式の説明をまとめると、ポイントは次の5つです。

  • 会話や連携サービスのデータは、利用者ごとに分離された仮想マシン(クラウド上の専用コンピューター)に保存される
  • 会話をAIモデルの学習に使うかは「設定」から選べる。初めて使うときはオンになっている
  • 会話や仮想マシン内のデータは、Metaの広告システムには共有されない
  • 削除やリセットはできるが、削除後もMuseが学んだ内容が残る場合がある
  • Metaからも中身が見えない「Muse Confidential VM」を年内に導入予定(2026年10月9日時点で未提供)

一方で、公式の説明どおりに動いているかを疑問視する報道も出ています(後半で紹介します)。

この記事は全体像の整理です。各テーマの詳しい解説は、次の記事をご覧ください。

Museはどんなデータを保存している?

Metaヘルプセンター「Museのデータを管理する方法」によると、Museは主に次の情報を保存しています。

種類 内容 確認する場所(ヘルプの表記)
チャット 自分のメッセージや指示、Museの返答 「チャット」タブ
コネクターからの情報 連携したメール・カレンダーなどから得た情報 チャットでMuseに聞く
目標・リマインダー 頼んだ目標、日時指定のタスク 「目標」タブ、アシスタントのアイコン
アーティファクト Museが作ったドキュメント・画像など 「ライブラリ」タブ
システムファイル Museが作業に使うファイル 「ライブラリ」タブ
思い出・ソウル・個性 好みなどの記憶、Museの性格や名前の設定 アシスタントのアイコン →「Identity」

思い出(Memory)などはファイルとして直接編集・削除できると説明されています。

データはどこに保存される?

公式ヘルプによると、Museは利用者ごとの仮想マシン(VM)の中で動きます。

“Every Muse user’s VM is isolated so no one else’s agent can access it.” (利用者ごとのVMは分離されていて、他の人のエージェントはアクセスできません)

パスワードなどのログイン情報は、別の保管場所「Secure Credentials Store」に入ります。AIモデルはパスワードを見ないまま、ログインが必要な操作をこなす仕組みです。この仮想マシンは、公式発表では「Muse Secure VM」と呼ばれています(詳しくは「Museの安全の仕組みとは?」)。

年内予定の「Muse Confidential VM」とは

Meta Newsroomの発表(2026年9月8日)は、「Later this year(年内に)」Muse Confidential VMを導入するとしています。仮想マシン全体を利用者だけが持つ鍵で暗号化し、Metaでも中を見られなくする仕組みです。

ヘルプセンターも、将来は利用者が「Muse Confidential VM」を選べるようになると書いています。いまのSecure VMは「他人のエージェントから隔離する」仕組みで、Confidential VMは「Metaからも見えなくする」仕組み、という違いです。2026年10月9日時点で、提供開始の発表はありません。

AIモデルの学習に使われる?止められる?

使うかどうかは利用者が選べます。公式ヘルプによると、次のとおりです。

  • 初めてMuseを使うときは、学習への利用がオンになっている
  • 「設定」→「データコントロール」の「AIモデルの改善にご協力ください」(ヘルプ日本語版の表記)でオフにできる
  • 設定の変更は過去のやり取りにも適用される
  • 学習に使う場合も、名前・メールアドレス・電話番号・社会保障番号などは取り除かれ、アカウントとのひも付けも外される

会話は広告に使われる?

使われない、とMetaは説明しています。

“Muse doesn’t share your conversations or the data in your virtual machine with Meta ad systems.” (Museは会話や仮想マシン内のデータを、Metaの広告システムと共有しません)

ヘルプによると、FacebookやInstagramを同じアカウントセンターで使っていても同じです。

連携サービス(コネクター)とはどこまでデータをやり取りする?

公式ヘルプによると、コネクター(メールなど他のサービスとの連携)とは、作業に必要なデータだけをやり取りします。たとえばメールを連携しても、頼まない限り受信トレイ全体をダウンロードすることはないとされています。

一部のコネクターは、Museに自動で情報を送る場合があります。どれが該当するかは、連携する前に示されます。連携先の一覧は「Museと連携できるサービス一覧」にまとめています。

だまし討ちの指示(プロンプトインジェクション)への対策は?

プロンプトインジェクションとは、Webページやメールに紛れ込ませた指示文(プロンプト)でAIを操ろうとする攻撃です。公式ヘルプは、次の対策を組み合わせていると説明しています。

  1. AIモデルの学習(怪しい指示を見分けられるようにする)
  2. 自動検出のしくみ
  3. 作業中にアクセスできる情報やサービスの制限

また、重要なアクセス許可やセキュリティのチェックは、AIモデルとは別に動くと書かれています。AIがだまされても、承認のチェックだけは独立して働く設計です。

削除すれば完全に消える?

完全に消えるとは限りません。公式ヘルプは次のように注意しています。

“Muse may still remember information it learned from what you deleted.” (削除したものから学んだ情報を、Museが覚えている場合があります)

特定の話題を忘れるよう頼む「忘れる」機能もありますが、Museが「できる範囲で」消すという説明です。すべて消すなら「Museをリセット」を使いますが、元に戻せません。手順は「Museの履歴の消し方」で解説しています。

なお、削除後のデータが何日で消えるかといった保存期間は、2026年10月9日時点の公式ヘルプには書かれていません。

公式の説明どおりに動いている?報じられた懸念

公式の仕組みとは別に、データの扱いを疑問視する報道も続いています。

  • メッセージの同期:2026年9月、Inc.誌のコラムニストが、断ったはずのMacの「メッセージ」をMuseが同期していたと報告しました。Meta側は「Museが仕組みを誤って説明した」と謝罪したと報じられています(詳しくは「Museはプライバシー大丈夫?」)
  • 周りの人の記録:2026年10月、Museが家族や友人など周りの人ごとに記録を作る仕組みを持つと、米WIRED誌の報道として複数のメディアが伝えました。Meta広報は「公開情報と、利用者が共有を選んだ情報」から集めているとGizmodoに説明しています(詳しくは「Museは友人・家族の情報も記録?」)

公式ヘルプは、Museの動きはいつでも確認できると説明しています。Museの説明だけに頼らず、設定画面とアクティビティの記録を自分でも時々見直すと安心です。

日本ではどうなる?

Museは2026年10月23日に日本でも提供が始まりました(Meta公式Newsroom日本語版)。ただし、この記事の内容は米国版の公式ヘルプとNewsroomに基づいています。日本版のデータの扱いが同じかどうかは、日本向けの発表には書かれていません。

日本での提供開始については「Museが日本で提供開始」、始め方は「日本でのMuseの始め方」をご覧ください。

よくある質問

Q. Museとの会話は広告に使われますか?

Metaヘルプセンターは、Museの会話や仮想マシン内のデータをMetaの広告システムと共有しないと説明しています。Facebook・Instagramを同じアカウントで使っていても同じです。

Q. Museとの会話をAIの学習に使わせない方法はありますか?

あります。「設定」→「データコントロール」の「AIモデルの改善にご協力ください」をオフにします。初期状態はオンで、変更は過去のやり取りにも適用されるとMetaヘルプセンターは説明しています。

Q. Museのデータを削除すれば完全に消えますか?

完全に消えるとは限りません。Metaヘルプセンターは、削除後もMuseがそこから学んだ情報を覚えている場合があると説明しています。

Q. 「Muse Confidential VM」とは何ですか?

仮想マシン全体を利用者だけが持つ鍵で暗号化し、Metaからも中を見られなくする仕組みです。Metaは2026年中に導入するとしていますが、2026年10月9日時点では提供されていません。

Q. 日本版でも同じデータの扱いになりますか?

Museは2026年10月23日から日本でも使えますが、日本版のデータの扱いについて、日本向けの発表には記載がありません。使い始める前に、アプリの設定やヘルプセンターで確認しておくと安心です。

まとめ

  • Museのデータは、利用者ごとに分離された仮想マシンに保存される
  • AIの学習への利用は初期設定でオン。「データコントロール」からオフにでき、過去分にも適用される
  • 会話や仮想マシン内のデータは、Metaの広告システムに共有されない
  • 削除しても、Museが学んだ内容は残る場合がある
  • Metaからも見えない「Confidential VM」は年内予定。一方で、データの扱いを疑問視する報道も出ている

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出典

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