MetaのAIエージェント「Muse」に、利用者の家族や友人など周りの人ごとに「ページ」を作り、約1時間ごとに更新する内部の指示がある、と米WIRED誌が報じました。その人自身がMuseを使っていなくても対象になりうる点が議論になっています。この記事では、報道の中身とMetaの説明、懸念の声、利用者ができることを整理します(2026年10月9日時点)。

結論:周りの人ごとの「ページ」を作る指示があると報道。Metaは「公開情報と共有された情報から」と説明

「関係性のページ」とは、Museが利用者の周りの人について情報を整理しておく記録のことです。報道とMetaの説明の要点は次のとおりです。

  • 独立系のAI安全研究者カラン・ジョシ氏が、Museの内部の指示(システムプロンプト)を取り出し、WIRED誌に提供したと報じられています
  • その指示には、利用者の人生に関わる一人ひとりについてページを作り、約1時間ごとに更新する処理が書かれていたとされます
  • 対象は家族・パートナー・友人・同僚・仕事仲間・フォローしている人などで、Museを使っていない人も含まれうると報じられています
  • Meta広報はGizmodoに対し、Museは「公開情報と、利用者が共有を選んだ情報」から文脈を集め、利用者ごとの専用の仮想マシンに保存すると説明しています

なお、報道が示しているのは「指示の中身」です。実際に何人分のページが作られているかを数えたものではない、と指摘するメディアもあります。

WIREDは何を報じた?

GizmodoやTom’s Guideなど複数のメディアが、WIRED誌(2026年10月3日)の報道として次の内容を伝えています。

  • Museの内部の指示に、「利用者の人生に関わるすべての人について」ページを作るよう求める一文がある
  • この処理は、約1時間ごとに実行される仕組みになっている
  • ページは最初は情報が少なくても、時間とともに書き足されていく設計

Tom’s Guideによると、ページは「事実」「経緯」「関係」「共通点」「続いている話題」「関係を深めるには」といった項目に分かれています(項目名は当サイトの参考訳)。誕生日や記念日、引っ越しの予定なども記録の例として挙げられています。

指示を取り出したジョシ氏は、通常のチャット画面からMuseに「自分のファイルを見せて」と頼む形で入手したと報じられています。Meta自身がこの仕組みを発表したわけではなく、研究者が見つけて報道になったという経緯です。

米TIME誌も、同じような内部の指示を独自に確認したと報じられています(IBTimes UKより)。

Metaはどう説明している?

Gizmodoへの声明で、Meta広報は次の点を説明しています。

  • Museが役に立つには、利用者と、利用者がやり取りする人についての文脈が必要
  • 情報は「公開情報と、利用者が共有を選んだもの」から集めている
  • 集めた情報は、利用者ごとの専用の仮想マシンに保存され、他の人のエージェントはアクセスできない

Meta Newsroomの発表(2026年9月8日)でも、Museは利用者にとって大事なことを覚えると説明されています。例として、招待状を送る前に友人の食事制限を覚えておく、という使い方が挙げられています。覚えたことは「忘れて」と頼めるとも書かれています。

つまりMetaの立場は、「周りの人の情報を覚えるのは、頼まれた作業をうまくこなすため」というものです。2026年10月9日時点で、報道を受けて仕組みを変えたという発表は見当たりません。

どんな懸念が出ている?

一方で、報道や専門家からは次のような懸念が出ています。

  • 本人の同意がない:ページの対象になる友人や家族は、Museを使うことにも、記録されることにも同意していない
  • 集める範囲が見えにくい:Metaは「利用者が共有を選んだ情報」と説明していますが、連携したメールなどに出てくる人の情報がどこまで使われるかは、公式に詳しい説明がありません
  • 指示と実態の差:報道は内部の指示に基づくもので、実際にどれだけのページが作られているかは分かっていない、とLet’s Data Scienceは注意を促しています
  • 研究者の受け止め:ジョシ氏は、Metaが利用者を「友人のように知ろうとしている」として、「正直かなり不気味」と述べたとFuturismが伝えています

Museをめぐっては、9月にも「断ったはずのMacのメッセージを同期していた」という報道がありました(詳しくは「Museはプライバシー大丈夫?」)。今回は、利用者本人ではなく周りの人の情報が論点になっている点が新しいところです。

利用者ができることは?

2026年10月9日時点で、「関係性のページ」だけを一覧で見たり消したりする方法は、Meta公式の説明にありません。Tom’s Guideの記者は、自分のMuseに自分について何を知っているか聞いたところ、答えは少なかったと書いています。連携しているサービスの量によって変わる可能性があるとしています。

公式ヘルプにある一般的な機能としては、次のものがあります。

  1. Museが何を覚えているか確認する:Museに直接聞くか、アシスタントのアイコン →「Identity」→「Memory」でMEMORY.mdを見て、編集・削除できます
  2. 「忘れる」を頼む:特定の人や話題を忘れるよう、チャットで頼めます。ただしMuseが「できる範囲で」消すという説明です
  3. 連携を絞る:メールやメッセージなど、つなぐサービスを必要なものだけにします。「設定」→「コネクター」から切断できます
  4. すべて消す:「設定」→「データコントロール」→「Museをリセット」で全データを削除できます(元に戻せません)

これらが関係性のページにどこまで効くかは、公式には説明されていません。手順の詳細は「Museの履歴の消し方」、データの扱い全体は「Museのデータはどう扱われる?」で解説しています。

日本ではどうなる?

Museは2026年10月23日、日本でも提供が始まりました(Meta Newsroom日本語版)。この報道は、米国での利用を前提にしたものです。

日本版で同じ仕組みになるかは、Meta公式から発表されていません。日本での提供開始の内容は「Museが日本で提供開始」にまとめています。

よくある質問

Q. Museを使っていない人の情報も記録されるのですか?

WIRED誌の報道として、そうなりうると複数のメディアが伝えています。利用者の家族や友人など周りの人について、Museを使っていなくてもページが作られうるとされています。

Q. Metaはこの報道についてどう説明していますか?

Meta広報はGizmodoに対し、Museは「公開情報と、利用者が共有を選んだ情報」から文脈を集め、利用者ごとの専用の仮想マシンに保存していると説明しています。2026年10月9日時点で、仕組みを変えたという発表はありません。

Q. 関係性のページを見たり消したりできますか?

2026年10月9日時点で、関係性のページだけを見たり消したりする方法は、Meta公式の説明にありません。一般的な機能として、MEMORY.mdの確認・編集、「忘れる」の依頼、Museのリセットは用意されています。

Q. 日本でも同じ仕組みになりますか?

Museは2026年10月23日に日本で提供が始まりましたが、関係性のページが日本版でも同じ仕組みかについて、Meta公式の発表はありません。

まとめ

  • Museに、周りの人ごとのページを約1時間ごとに更新する指示があると、WIRED誌の報道として伝えられている
  • Museを使っていない家族や友人も、対象になりうるとされる
  • Metaは「公開情報と、利用者が共有を選んだ情報から集め、専用の仮想マシンに保存する」と説明している
  • ページだけを見たり消したりする方法は、公式には説明されていない。連携を絞り、記憶の確認や「忘れる」を使うのが現実的

Museの最新情報はMuse LifeのXでお知らせします。


出典

※当サイトは非公式のファンサイトで、Meta社とは関係ありません。