Meta Model APIとは、開発者がMetaのAIモデル(Muse Spark・Muse Wonderなど)を、自分が作るプログラムやサービスに組み込める窓口(API)です。一般ユーザーが使うMuseアプリとは別の、開発者向けの製品です。この記事では、公式ドキュメントをもとに、使えるモデル・料金のしくみ・関連製品との違いを整理します(2026年10月時点)。
Meta Model APIとは?結論
Meta Model APIは、Metaが提供する開発者向けのAIモデル呼び出し窓口です。2026年7月9日に、Muse Spark 1.1とともに「公開プレビュー」として始まりました(Meta AI公式ブログ)。公式ドキュメントによると、ベースURL(https://api.meta.ai/v1)に対して、OpenAIのSDK・Pythonのrequests・curlなどからリクエストを送って、Muse Spark・Muse Wonderといったモデルに文章・画像・音声を渡し、結果を受け取れます。
ポイントは3つです。
- Museアプリとは別物:一般ユーザーが日常の作業を頼むMuseアプリの「裏側」ではなく、開発者が自分のプログラムからAIモデルを使うための仕組みです
- モデルは複数ある:Muse Spark・Muse Wonderのほか、画像生成・音声認識・画像セグメンテーション(領域の切り出し)のモデルも提供されています
- 使った分だけ払う従量課金:Muse Spark 1.3は入力100万トークンあたり1.25ドル・出力4.25ドル。送った内容をMetaのモデル学習に使う「Contributor」モードを選ぶと、入力0.10ドル・出力0.20ドルまで安くなります(公式の料金ページ)
Museそのものについては「Museとは?」、用語の全体像は「Muse用語集」も参考にしてください。
どんなモデルが使える?
公式ドキュメント(dev.meta.ai/docs/models)によると、2026年10月時点でMeta Model APIから使えるモデルは次のとおりです。
| モデル | モデルID(例) | できること |
|---|---|---|
| Muse Wonder | muse-wonder-1.0 |
複雑なソフトウェア開発や長時間のエージェント作業向け。入力はテキスト・画像・動画・音声・PDF、出力はテキスト。Standardモードのみ |
| Muse Spark 1.3 | muse-spark-1.3 |
最新版。新しく作るならこちらが推奨。入力はテキスト・画像・動画・音声・PDF(音声はまだ完全には対応していない) |
| Muse Spark 1.3 Contributor | muse-spark-1.3-contributor |
1.3の学習協力版。安くなるが「推論レベル:max」は使えない |
| Muse Spark 1.2 | muse-spark-1.2(学習協力版は muse-spark-1.2-contributor) |
1つ前のバージョン。音声入力を扱うならこちらが推奨 |
| Muse Spark 1.1 | muse-spark-1.1 |
初期バージョン(Standardのみ) |
| Muse Image | muse-image-1.0 |
画像の生成・編集 |
| Muse Voice Transcribe | muse-voice-transcribe-1.0 |
音声からテキストへの変換(リアルタイム・ファイルの両方) |
| SAM 3.1 | sam-3.1 |
画像・動画の中の物体を自動で切り出す(セグメンテーション) |
Muse Wonder Full(Muse Wonderの高性能版)は、Meta Model APIでは使えません。開発者向けサービス「Muse Code」の契約者(Power Usage・Maximum Usageプラン)だけが使えると、公式ドキュメントで案内されています。Muse Wonder・Muse Wonder Fullについては「Muse Wonderとは?」で詳しく解説しています。
なお「Muse Spark Open」「Muse Glimmer」という、自分のパソコン・サーバーで動かす「オープンウェイト」版のモデルもありますが、これらはMeta Model API経由では使えません。
料金のしくみ:Standard と Contributor
公式ドキュメントは、2つの利用モードを説明しています。
- Standardモード:送った内容はMetaのモデル学習に使われません
- Contributorモード:送った内容を将来のMetaモデルの学習に使うことを条件に、料金が安くなります(モデルIDの末尾に
-contributorを付けて呼び出します)。Model APIで選べるのはMuse Spark 1.3と1.2だけです
料金は、使った分だけ払う従量課金です。公式の料金ページ(Pricing and rate limits)に載っている、トークン(AIが文章を処理する単位)100万あたりの料金は次のとおりです(2026年10月26日確認)。
| モデル | モード | 入力 | キャッシュ済み入力 | 出力 |
|---|---|---|---|---|
| Muse Wonder | Standard | 4.00ドル | 0.20ドル | 20.00ドル |
| Muse Spark 1.3・1.2・1.1 | Standard | 1.25ドル | 0.15ドル | 4.25ドル |
| Muse Spark 1.3・1.2 | Contributor | 0.10ドル | 0.002ドル | 0.20ドル |
「キャッシュ済み入力」は、前と同じ内容をくり返し送ったときに安くなる分の料金です。Muse WonderのContributorモードはありません。
文章以外のモデルは、使った量で料金が決まります。
- Muse Image:画像1枚あたり0.01ドル(生成に失敗した画像は請求されない)
- Muse Voice Transcribe:音声1時間あたり0.18ドル(秒単位で計算)
- SAM 3.1:画像1,000枚あたり2.50ドル、動画1,000フレームあたり0.20ドル
- ウェブ検索:1,000回あたり2.50ドル(トークン料金とは別にかかる)
公式の料金ページは「最低利用額や前払いはない」としていますが、無料クレジットの記載はありません。公開当初(2026年7月)に、新規アカウントには20ドル分のクレジットが付くとCNBCが報じたと、Implicator.aiが伝えています。今も続いているかは確認できていません。料金は変わることがあるので、使う前に公式の料金ページで確認してください。
レート制限(使える量の上限)
公式の料金ページによると、上限はAPIキーごとではなく「チーム」ごとにかかります。
| モデル | 1分あたりのリクエスト数 | 1分あたりのトークン数 |
|---|---|---|
| Muse Wonder・Muse Spark 1.3/1.2/1.1(Standard) | 3,000 | 400万 |
| Muse Spark 1.3/1.2(Contributor) | 150 | 300万 |
| Muse Image | 150 | 上限なし |
| SAM 3.1 | 3,000 | 上限なし |
Muse Voice Transcribeは、同時256本・1時間あたり16,000本までの音声ストリームが上限です。Contributorモードは安い代わりに、1分あたりのリクエスト数の上限がかなり低い点に注意が必要です。
使い方の流れ
公式のクイックスタートドキュメントによると、大まかな流れは次のとおりです。
- Model APIのダッシュボード(dev.meta.ai)でアカウントを用意する
- ダッシュボードの「API keys」から「Create API key」を選び、APIキーを発行する
- 発行したキーは、プログラムに直接書き込まず、
MODEL_API_KEYという環境変数に保存して使う - OpenAIのSDK・Pythonのrequests・curlなどから、ベースURL(
https://api.meta.ai/v1)にリクエストを送る(AnthropicのSDKとも互換があると案内されています)
主なエンドポイント(呼び出し先)は、文章生成用のResponses・Chat Completions・Messages、画像生成・編集用(/v1/images/generations、/v1/images/edits)、音声認識用(WebSocketまたは/v1/asr/transcribe)、使えるモデルの一覧を取得する/v1/modelsなどです。
Muse・Muse Codeとはどう違う?
名前が似た製品が多いため、整理します。
| Muse(アプリ) | Meta Model API | Muse Code | |
|---|---|---|---|
| 誰向け | 一般ユーザー | 自分でプログラムを作る開発者 | ターミナルでコーディング作業を任せたい開発者 |
| 使う場所 | スマホアプリ・ウェブ・WhatsApp | 自分のプログラムからAPI呼び出し | パソコンのターミナル |
| 位置づけ | AIモデルを使った完成品のエージェント | AIモデルそのものへの窓口 | Model APIのアカウントを使う、コーディング専用のエージェント製品 |
Muse Codeの契約も、公式ドキュメントでは「Meta Model APIのアカウントでサインインして使う」と案内されています。つまりMuse Codeは、Meta Model APIの上に作られた製品の1つという位置づけです。Muse Codeについては「Muse Codeとは?」で詳しく解説しています。
日本ではどうなる?
Meta Model APIを日本から使えるかどうか、公式に「使える」と明記した文は見つかっていません(2026年10月時点)。2026年7月の公開当初は、The Vergeが「米国の開発者だけが使える」と報じていました(Implicator.aiによる)。Model APIの利用規約の一部「Geographic Use Policy」(2026年10月12日更新)は、利用できない国・地域の一覧を載せていますが、この一覧の中に日本は入っていません。公式ドキュメントは「モデルを使える国はこのポリシーによって異なる」としており、「禁止されていない」と「使えると保証されている」は別なので、ご注意ください。
一般ユーザー向けのMuseアプリは2026年10月23日に日本で提供が始まりました(詳しくは「Museが日本で提供開始」)。ただしMeta Model APIは開発者向けの別サービスで、提供国の案内も別に行われています。Museアプリが日本で使えるようになったことが、Meta Model APIの日本での利用可否を意味するわけではありません。
よくある質問
Q. Meta Model APIは誰向けのサービスですか?
自分のプログラムやサービスにMetaのAIモデルを組み込みたい開発者向けです。一般ユーザーがMuseアプリとして使う場合は関係ありません。
Q. Meta Model APIは無料で使えますか?
基本は使った分だけ払う従量課金です。公式の料金ページ・クイックスタートには無料クレジットの記載がありません。公開当初に新規アカウントへ20ドル分のクレジットが付くと報じられましたが(CNBC、Implicator.ai経由)、今も続いているかは確認できていません。
Q. StandardとContributorはどちらを選べばいいですか?
送った内容をMetaのモデル学習に使われたくない場合はStandard、料金を安くしたい場合はContributor(学習への利用に同意)です。Contributorは入力・出力とも10分の1以下の料金になりますが、選べるのはMuse Spark 1.3・1.2だけで、1分あたりのリクエスト数の上限も低くなります。
Q. Meta Model APIとMuse Codeは同じですか?
別の製品です。Meta Model APIはAIモデルそのものへの窓口で、Muse CodeはそのAPIアカウントを使う、コーディング専用のエージェント製品です。
Q. Meta Model APIは日本からも使えますか?
公式に「使える」と明記した文は見つかっていません。利用禁止地域の一覧に日本は入っていませんが、確実に使えると保証する記載もなく、2026年10月時点では未確認です。
まとめ
- Meta Model APIは、開発者がMuse Spark・Muse WonderなどMetaのAIモデルを自分のプログラムから呼び出せる窓口
- 使えるモデルはMuse Spark(1.1〜1.3)・Muse Wonder・Muse Image・Muse Voice Transcribe・SAM 3.1など。Muse Wonder FullはMuse Code契約者限定
- 料金は従量課金。Muse Spark 1.3は入力100万トークン1.25ドル・出力4.25ドル、Contributorなら0.10ドル・0.20ドル。Muse Wonderは4ドル・20ドル
- Muse Codeは、このMeta Model APIのアカウントを使うコーディング専用の製品という位置づけ
- 日本での利用可否は、2026年10月時点で公式に明記されていない
Museの最新情報はMuse LifeのX(@muselife_jp)でお知らせします。ぜひフォローしてください。
出典
- Meta Model API Models(公式ドキュメント) — Meta開発者向け公式サイト(2026-10-26確認)
- Pricing and rate limits(公式ドキュメント) — Meta開発者向け公式サイト(2026-10-26確認)
- Meta Model API Quickstart(公式ドキュメント) — Meta開発者向け公式サイト(2026-10-26確認)
- Meta Model API Model Designation and Geographic Use Policy — Meta, 2026-10-12更新
- Muse Code(公式プロダクトページ) — Meta開発者向け公式サイト(2026-10-26確認)
- Introducing Muse Spark 1.1 and the Meta Model API — Meta AI公式ブログ, 2026-07-09
- Introducing Muse Wonder and Muse Wonder Full: Frontier Models for Agents — Meta Newsroom, 2026-10-12
- Meta prices its first paid AI model API at $4.25 per million output tokens — Implicator.ai, 2026-07-10(無料クレジット・提供地域の報道)
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